こんにちは、33-MDDTです。本日は「ダイナミック印象材」のツボ。
≪インプット事項≫
「ダイナミック印象材」=「粘膜調整剤」です。商品名だとティッシュコンディショナー! 最近の国試で狙われそうな匂いを感じる印象材です( ̄▽ ̄)
【組成】
・PEMA(ポリエチルメタクリレート)
【硬化機構】
・エタノールの蒸散
➡抑えてほしいのは重合開始材が入っていないこと!
なので、エタノールの蒸散で徐々に硬化しています。
なので、始めはプニョプニョ、そして数週間経つと固まっている。
何を意味するのか?
➡そのプニョプニョの期間で「粘膜の炎症」を抑えることもできます
ということは「フラビーガム」などの慢性炎症に対して使用できます
そして、まだ炎症が収まっていなかったら、ダイナミック印象材の張替えを行います。(炎症がある粘膜に対してリライン、リベースは行いませんよ)
➡また、印象材の側面から、「義歯を個人トレー」として数週間にかけて患者の口腔粘膜の状態を「動的印象」することができる。
そうすることで、「粘膜の機能印象」をとることができる。
(動的印象があいまいな方はこちらの記事を一読)
その後、個人トレーとして使用している義歯内面に石膏を注ぐことで、素晴らしい模型ができる。その模型を使用し、リラインやリベースを行うことができる。
【性質】
・義歯を個人トレーとして使用し、数週間にわたり硬化する。
➡粘膜面の加圧印象がとれる。
・炎症に対してクッション材としての作用がある
➡粘膜調整剤として使用
≪臨床問題への応用≫
【問題】
義歯:100B-42
ダイナミック印象に用いるのはどれか。1つ選べ。
a 印象用ワックス
b アルジネート印象材
d アクリル系軟質義歯裏装材
e パテタイプシリコーンゴム印象材
【解説】
上記の通り、「ダイナミック印象」の定義は「義歯を個人トレー代わりにアクリル系軟質裏装材を盛り、患者に一定期間使用させて粘膜の粘膜支持を得た印象」を得ることです。
a 印象用ワックス
➡「オルタードキャストテクに使う」くらい覚えておいてください
b アルジネート印象材
➡無歯顎、有歯顎の概形印象ですね
➡無歯顎の概形印象。確かに機能印象が取れますが、「ダイナミック印象」の定義とは外れます。
d アクリル系軟質義歯裏装材
➡だーいせいかーーい(*´♡`*)
e パテタイプシリコーンゴム印象材
➡パテタイプシリコーンとインジェクションタイプシリコーン合わせて連合印象!
機能印象ではない・・・
【解答】
d
それでは、またどこかでお会いしましょう。アデュー(*´♡`*)
- 出典:厚生労働省ホームページ