そろそろサークルチェックの時期ですね・・・ 師も走る!師走!!
こんにちは、33-MDDTです。前回に続いて、本日も「コンポジットレジンのツボ」です。
本日は、重合方法による分類と利点欠点を押さえておきましょう。
≪インプット事項≫
CRには2ペーストからなり、化学重合で固まる化学重合型と、1ペーストからなり、「470nmの光」で固まる光重合型があります。その違いは、「重合開始剤と促進剤」の違いだけです。
【硬化機構】
化学重合 : 重合開始剤(BPO:過酸化ベンゾイル)
重合促進剤(DMPT:3級アミン)
光重合 : 重合開始剤(光増感材)(CQ:カンファーキノン)
重合促進剤(還元剤)(DMARMA:3級アミン)
【利点・欠点】
化学重合型の利点
・光が到達しない部位でも硬化する
➡レジンポストや合着用セメントなどに使用(デュアルキュアで)
・深い窩洞でも均一に硬化する
➡光重合型は2-3mmの硬化深度なので、積層充填しなきゃだめ
・光重合型より窩底にギャップが生じにくい
➡光重合型は光の当たる方向へ重合が進む。化学は均等に重合するためギャップが生じにくい
化学重合型の欠点
・気泡が入りやすい
➡2ペーストなので気泡が入る危険性がある
・強度が弱い
➡そりゃ、気泡が入ったら強度は低い
・変色しやすい
・操作時間に制限がある
➡化学で固まるため、練った瞬間から硬化が始まってしまう。。。
光重合型の利点
・気泡の混入が少ない
➡1ペーストなので気泡が入りにくい
・操作時間に余裕がある
➡光を当てるまで硬化しないので操作時間に余裕がある
・化学重合型より強度が高い
➡気泡の混入少ないからね!
・審美修復が可能
➡化学重合型と比べてシェード(色合い)が多い
・積層充填できる
光重合型の欠点
・光が到達しないと重合しない
➡深い窩洞では積層充填(レイヤリングテクニック)を行う
・窩底にギャップが生じやすい
≪臨床問題への応用≫
【問題】
保存修復学:110C-40
コンポジットレジン修復操作時の口腔内写真を別に示す。
ペーストタイプのレジンを塡塞する前にこの操作を行う理由はどれか。
l つ選べ。
a 耐摩耗性の向上
b 色調安定性の向上
c 光照射時聞の短縮
d ギャップ発生の防止
e 修復象牙質形成の促進
【解説】
まず、写真からわかってほしいことは「深めのII級窩洞に対して、隔壁を設置し、ペーストタイプの転入前にフロアブルレジンを深い部分に填入している」です。
これほど深くて大きい窩洞にCRを一括で填入し、咬合面から光照射を行うと「窩底部にキャップ」が生じます。なので、一度フロアブルレジンを2-3mm填入し硬化させたうえで、ペーストタイプを積層充填していきます。。。。
ってか、こんな大きな窩洞ならインレーでよくないか!?Σ( ̄ロ ̄lll)
a 耐摩耗性の向上
➡いや・・・フロアブルですし、お寿司・・・
b 色調安定性の向上
➡微妙な選択肢な気がしますが、まず吸水性という観点ではペーストタイプとフロアブルタイプだと、ペーストタイプのほうが安定しています。
なぜなら、変色の主体はマトリックスレジンであり、ペーストタイプはフィラー含有率が高いため、マトリックスレジン量が多いフロアブルより変色しにくいからです。
次に・・・ 色調の事考えるなら全歯の唇側面とかじゃないっすかね・・・?
c 光照射時聞の短縮
➡なりません!よくひ捻りだしたなこの選択肢・・・(尊敬
d ギャップ発生の防止
➡です!上記の通り
e 修復象牙質形成の促進
➡このような作用を有するのは覆髄剤です。例えば、水酸化カルシウム製剤やMTAセメントでしょうか。
【正解】
d
では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*)
- 出典:厚生労働省ホームページ