歯科材料のツボ

初めまして合格請負人ことmiuです。歯科国試、進級対策。材料から臨床問題を読み解くブログです。月、水、金更新予定。連絡先メール: tidmiu@gmail.com ラインID: tidmiu インスタアカウント:tid_miu

鋳造用合金のツボ① 金合金

 ちらほらと卒業試験の結果が耳に入る時期になりましたね。この時期はやれ「~~大学は何人落としたぞ!」やら「~~大学は救済試験があるらしいぞ!」などの情報が錯綜します。本当に嫌な時期です・・・ こんにちは、33-MDDTです。国試まで本当にあと二週間ちょい、気張っていきましょう!

本日から「鋳造用合金のツボ① 金合金」です。

 

≪インプット事項≫

 

【金の特徴】

①貴金属➡耐食性良好

②展延性に優れている➡よく伸び

③結晶構造は面心立方格子

比重は大きい(プラチナよりは小さい、Pt > Au の順)

⑤融点は1064

 

【鋳造用金合金の特徴】

 

①JIS企画による分類

タイプ1とか出てくるのがこちらの規格。タイプが大きくなるにつれて金の含有率は下がっていきます。

ということは、他の添加元素が多くなるので、先ほどの金の特徴が薄れていくイメージです。

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よく問題で出されるのが、比較問題。

タイプ1と比較したタイプ4の特徴とかです。

考え方としては、タイプ1は金の含有率が多いから「柔らかい、融点が高い、重い」

逆に、タイプ4は金の含有率が低く、他の添加元素が多い為「堅い、融点が低い、軽い」

特に、タイプ4金合金は「硬化熱処理」という、「かーたくなーれ、かーたくなーれ、きゅるきゅるるん♬」的な、どこぞのメイド喫茶がやりそうな処置が可能です。

タイプ3金合金では「硬化熱処理ができるものもある」くらいで覚えておいてください。必ず硬化熱処理が可能と定義されているのは「タイプ4金合金」です。

 

②金合金における添加元素

 歯科で用いる金属は「合金化」されています。合金化とは、言うなれば「単体だと使用が難しいから、いろいろな金属を合体させて、良い性質を良いとこどりしよーぜ!」です。

金合金では以下の元素が添加されており、特に役割が大事になります。

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特にCuはよく問われます、融点下げて強度を上げる!良いことだらけですが、如何せん十円玉が気づいたら黒ずんでいる現象「酸化」が起きやすくなります。

 

③カラット別金合金

 金合金中の金の含有率をカラットで表示したものです。よく、指輪とかに18kとか20kとか書いてありますよね?あれです。

貰って一番嬉しいKは24Kです。なぜなら、24k=金100パーセントだからです。

kが24に近づくほど、金の含有率は高いのです。

20k~22K金合金は、タイプ2金合金に相当します。

16k~18K金合金は、タイプ4金合金に相当します。ということは、18k以下の金合金は「硬化熱処理が可能」ということになります。

 

では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*) 

 

 

≪臨床問題への応用≫ 

【問題】

歯冠補綴学:107A-56  

 

 鋳造用金合金について正しいのはどれか。2つ選べ。

a タイプ1は硬化熱処理が可能である。
b タイプ1はタイプ3よりも硬さが大きい。
c タイプ2はタイプ3よりも耐力が大きい。
d タイプ3はタイプ4よりも伸びが大きい。
e タイプ1はタイプ4よりも金の含有量が多い。

 

 

 

【解説】

  まずこのような比較問題でよく間違う方は必ず「倒置法で考える」ということを意識してください。

例えばeの選択肢は「タイプ1は金の含有量が多い、タイプ4と比較して」と少し言い換えると分かりやすくなります。

そして、この問題の考え方は

タイプ1は金の含有率が多いから「柔らかい、融点が高い、重い」

タイプ4は金の含有率が低く、他の添加元素が多い為「堅い、融点が低い、軽い」

です。

 

a タイプ1は硬化熱処理が可能である。

 ➡確定でできるのhタイプ4です!


b タイプ1硬さが大きい、はタイプ3よりも。

 ➡タイプ1は金の含有量が多いのでわからかいです。


c タイプ2は耐力が大きい、タイプ3よりも。

 ➡タイプが小さいほうが金の含有量が多いので、耐力は小さいです。


d タイプ3は伸びが大きい、タイプ4よりも。

 ➡タイプが小さいほうが金の含有量が多いので、伸びは大きいです。


e タイプ1は金の含有量が多い、タイプ4よりも。

 ➡そりゃそーだ!

 

【正解】

d,e

この「倒置法システム」がしっくりした方はぜひ使ってみてくださいね!

では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*) 

 

  1. 出典:厚生労働省ホームページ 

    https://www.mhlw.go.jp/index.html

  1. 歯科医師国家試験」(厚生労働省

    歯科医師国家試験 過去問

    を加工して作成。