さて、もう明後日には歯科医師国家試験ですね。現役の方も浪人の方も、是非とも落ち着いて本来の力を発揮してきてください。
「会場で一番頭が良いのは私!だってこれだけやってきたんだし!」の気持ちを忘れずにです!
というわけで、何かと過去の遺物と思われがちな陶材焼付け鋳造冠、最近はジルコニアとの比較がとても出ているので、直前対策としてここを押さえておきましょう!
≪インプット事項≫
【陶材焼き付け鋳造冠とポーセレンレイヤリングジルコニアクラウン】
この2つの補綴物の比較は、フレーム部の作り方の違いです。
陶材焼付け鋳造冠はメタルフレーム、ジルコニアクラウンはジルコニアフレームを製作し、その後その上に陶材を築盛していきます。
ということは、問われることは各補綴を製作する際の「異なる点と同じ点」です。
サクッと図にまとめておきました。
盲点としては、まずディガッシングの有無です。陶材焼付け鋳造冠は陶材と金属を結合させるためにディガッシングを行いますが、ジルコニアフレームの場合はジルコニアと陶材が焼結するのでディガッシングは行いません。
そして、オペーク陶材の有無も気をつけてください。ジルコニアフレームの場合は、隠す金属がありません。
≪臨床問題への応用≫
【問題】
歯冠補綴学:111A-70
クラウンの写真を別に示す。製作過程でAのみで行う操作はどれか。2つ選べ。
a 焼結
b 鋳造
c 陶材築盛
d グレーシング
e ディガッシング
【解説】
この問題、ホントにスコ・・・ たまらない・・・ ぐらい、いろいろ詰まった問題ですね。
まず、Aの写真は「陶材焼付け鋳造冠」Bの写真は「ポーセレン築盛ジルコニアフレームクラウン」です。
a 焼結
➡これは陶材を焼くことなので、両方に行う処置になります。「焼結」でも「焼成」でも同じです。
b 鋳造
➡これは、陶材焼付け鋳造冠のみで行う処置です。融点が高いので、「リン酸塩系埋没材」を使用することを忘れないで下さい。
c 陶材築盛
➡これは、両方の補綴物に行う処置ですね?
d グレーシング
➡ これは、艶出しです。これも両方の補綴物に行う処置です。
ステイニング(色付け)も両方の補綴物に行う処置をお忘れなく!!
e ディガッシング
➡ これは、陶材焼付け鋳造冠のみに行う処置です。陶材と金属の結合を行うための処置です。
【正解】
b,e
次回から、4月までの間は「112回の材料系問題祭り」でもしましょうかね。。。
では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*)
- 出典:厚生労働省ホームページ