六月ですねー、梅雨入りです。汗っかきの僕はこの時期「髪の毛に着けたワックスが、汗で溶けて滴り落ちる」ことが昔あり、「樹液先生」という名誉あるあだ名をつけられたことがあります。 研修がおわって3年ほど経過した際に、当時の5年生に教えてもらいました・・・ カブトムシじゃねーんだよ!! こんにちは、33-MDDTです。
さて、今回は「義歯用材料のツボ⑥アングルが絡む人工歯配列」です。
【インプット事項】
結論から申し上げますと、下記の表を覚えてください!
ですが「覚えてください」と言われても人間、忘れる生き物ですから忘れてしまったときの考え方です。
まず、義歯で動かせない部分があります、「上顎前歯部排列」です。
上顎前歯部は審美性命!そして、リップサポート命!です。
咬合採得前に「リップサポートの確認」を行うくらい大事!
では、「臼歯部排列」は?
それもほぼ動かせません。
臼歯部人工歯排列は「機能重視」です、しっかり咀嚼等できるように排列出来るように排列します。そのための、パウンドラインしかり、歯槽頂間線しかり、筋圧中立帯です。
ということは、アングル2級や、3級の顎堤で調整できる部位は「下顎前歯部」となります。
アングルII級の場合、配列できる顎堤が小さいです
➡ 下顎前歯部のモールド小さくしよう!
それに伴い、オーバージェット、バイトは大きく!
アングルⅢ級の場合、配列できる顎堤が大きいです
➡ 下顎前歯部のモールド大きくしよう!
それに伴い、オーバージェット、バイトは小さく!
≪臨床問題への応用≫
【問題】
歯科補綴学:110-D37
79歳の女性。全部庄義歯を製作中である。上下口唇の豊隆の確認と咬合採得の後に咬合器に装着した作業用模型の写真と上下顎堤の関係の写真を示す。
人工歯配列時に留意すべきなのはどれか。2つ選べ。
a 臼歯の交差咬合排列を考慮する。
b 前歯の垂直被害を大きく付与する。
c 前歯の水平被害を大きく付与する。
d 下顎の前歯部人工歯は歯槽頂上に排列する。
e 上下顎前歯人工歯は同じモールドを選択する。
【解説】
よい問題です、90回台かなんかにこれに似た問題が出ていましたが、それは糞でした。この問題のキモは「いかに選択肢を消せるか」です!
a 臼歯の交差咬合排列を考慮する。
➡ これは所見では〇できないと思います。ですが、〇です。
なぜならば他の選択肢が確定で×だから。
交差咬合排列は「歯槽頂間線と咬合平面のなす角が80度以下」の時適用です。
ですが、写真や文章から確証を得られません。が、他の選択肢がバツなので丸になるのです。
b 前歯の垂直被害を大きく付与する。
c 前歯の水平被害を大きく付与する。
➡まずこの二つが確定で×です。なぜなら、アングル3級の顎堤なので「下顎の前歯部モールドを小さく、ジェット、バイトを大きく」がルールです。
d 下顎の前歯部人工歯は歯槽頂上に排列する。
➡これは確定で〇です。歯槽骨上にしっかりと咬合圧をかけるために、骨頂に人工歯を排列します。
e 上下顎前歯人工歯は同じモールドを選択する。
➡ これは同じモールドではなく「下顎の前歯部は大きめの人工歯を使用する」ということで✖になります。
【正解】
a,d
では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*)
- 出典:厚生労働省ホームページ