やった、ひと段落という名の先延ばし工作が成功したぞ!知らない間に7月になっていますね、どこの大学もそろそろ何かしらの定期テストの季節です。
この間、テスト直前の教え子に「ねぇねぇ!さっき大学の廊下でキスしてるカップルいたぞ!」って緊張をほぐすために伝えたのですが「黙ってくれますか?」って怒られました。
10歳の下の学生に怒られた・・・ ぞくぞくしますね←
書類の締め切りが一週間伸びて、かるく舞い上がっる33-MDDTです。
ちょうど義歯用材料がひと段落したので、特別企画!
「義歯の臨床問題解法のツボ」を解説していきたいと思います。
よく学生さんからわからないというのが術後管理のお話。
やれ、「リライン」やらやれ「粘膜調整」やらそれこそ、「義歯の粘膜面調整」やら・・・
わけわからない単語が良く飛んできます。
義歯の術後管理問題で注目すべきは「主訴」「使用期間」!まずはこれです!
【義歯使用短期症例の話】
まず「短期症例」というのは「義歯を装着して6か月未満」と考えてください。
そして、短期症例では
①「顎堤吸収が起きていない(例外あり)」
➡顎堤吸収が起きてないということはフラビーガムも義歯性線維腫も起きにくい
➡顎堤吸収が起きていないということは「リライン」「リベース」「粘膜調整材の塗布」を行うスペースがない。なぜならこれらの処置は顎堤吸収が起きて義歯との間のスペースに行う処置です。
②「人工歯の咬耗も起きにくい」
➡臼歯部人工歯の咬耗が起きにくいということは、前歯部で噛むことはない。
もし、万が一前歯部で咬合していたら、それは人工歯配列時の失敗。
③「短期症例による義歯装着時の痛み」
➡義歯設計時のミスか?特にリリーフ不足が怪しいか・・
④「短期症例による義歯の破折」
➡やはり、義歯製作のミスが濃厚
などなど、というか短期症例で何かしらエラーが起こったら、基本的に作る際のミスが多いです。やれ「リリーフ不足」やれ「レジンの厚み不足」、やれ「ブロックアウト不足」・・・
これらを意識して問題を解いてみましょう。
【問題】
歯科補綴学:99-C37
56歳の女性。咀嚼時の疼痛を主訴として来院した。上顎義歯を1か月前に装着したが、直後から床下粘膜に疼痛があり改善しないという。
初診時の口腔内写真と、義歯の写真および適合試験の写真を別に示す。
考えられる原因はどれか。2つ選べ。
a 口蓋隆起のリリーフ不足
b フラビーガム
c ビーディング不足
d 床面積の不足
e 義歯の変形
【解説】
さて、ここで注目するところは
①主訴➡「咀嚼時疼痛」
このことから、義歯に力がかかった時に痛い場合はどの様なときか考える。
②使用期間➡「上顎義歯を1か月前に装着」
このことから、顎堤吸収が起きているとは考えにくい。また、フラビーガムも起こりにくい。
短期で痛みが起きるということは、義歯製作時に何か原因があると考える。
a 口蓋隆起のリリーフ不足
➡まずは鉄板、適合試験の写真からがっつり口蓋隆起にあたってます。
上顎でリリーフするべき部位は「口蓋隆起、切歯乳頭、横口蓋ヒダ、正中口蓋縫線」です。
b フラビーガム
➡フラビーガムは6か月以降に好発します。なぜなら、顎堤吸収や臼歯部人工歯の咬耗により、「前噛み」になり起こるためです。
c ビーディング不足
➡ビーディングが不足していると何が起こるか?それは「義歯の脱落」です。
ということは、患者の主訴は「義歯がよく落ちる」になるはず。
また、ビーディングは製作過程での話なので「短期症例の義歯脱落(メタルフレーム)」になるはず!
d 床面積の不足
➡これがなかなか難しい、庄面積の不足でまず考えるのは「義歯の脱離」です。
吸着力が乏しくなるため、患者は脱離を訴えます。そして、製作過程でのミスなので短期症例です。
が!
今回、床面積が小さいがために、顎堤粘膜にかかる力が集中してしまい、疼痛が起きてしまったのです。他の選択肢が確定✖なのでこれが必然的に〇選択肢になります。
e 義歯の変形
➡メタルフレームで義歯変形するかーーい!即消す選択肢。
【正解】
a,d
では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*)
- 出典:厚生労働省ホームページ