世間は夏休みですね~、先週から学生たちも夏休みになったらしく、駅近くの飲み屋でよく騒いでるのを横目に家に帰る毎日です。
受験生の皆さんは夏休みなんてありませんよ!
「夏を制する者は、受験を制する!」僕が小学校受験した時から耳にタコができるほど聞かされた言葉です。
この夏でしっかりと知識の整理を、そして思うように成績が振るわない方はこの夏で方向転換を!
まだ間に合います、秋口に気づいたら遅いです!!
では、今回から「歯科用陶材のツボ①」です!
【インプット事項】
①歯科用陶材の組成
・長石:K2O・Al2O3・6SiO2
➡陶材の主成分、透明性向上
・石英:SiO2
➡強度の向上、入れすぎると透明性低下
・陶土(カオリン):Al2・2SiO2・2H2O
➡賦形性の付与
・ホウ砂:Na2B4O7・10H2O
➡焼成温度低下
②焼成温度による分類
高温焼成陶材、中温焼成陶材はホウ砂入れてないやつ。陶歯に用いられる。
低温焼成陶材、超低温焼成陶材はホウ砂入れて温度下げてるやつ。クラウンや、ブリッジ、陶材焼付け冠に用いられる。
③用途による分類
陶材は基本的に盛り上げ(レイヤリング)をして製作します。そのため、沢山の色があります。
・エナメル:エナメル質色
・ディンティン:象牙質色
・インサイザル:EXILEっぽいから黒そうだけど、切縁なので最も透明性高い
・サービカル:歯頸部色
・コア:土台部分なので耐衝撃性が欲しい、そのため酸化アルミニウムを多く含む
・オペーク:金属色を遮断するために用いられる!そのため「メタルボンド鋳造冠(陶材焼付け鋳造冠)」では使用しますが「ジルコニアボンド」では使用しません!
そして、酸化スズ、酸化インジウムを含みます!これは、焼付用金合金と科学的に結合するためです!
≪臨床問題への応用≫
今回は基礎的な知識が多いので、連問で!
陶材についてただしいのはどれか。すべて選べ。
a 主成分は長石である。
b 硬度はエナメル質より高い。
c 熱膨張係数はエナメル質より小さい。
d 圧縮強さは曲げ強さより大きい。
e アルミナの添加によって圧縮強さは減少する。
【解説】
a 主成分は長石である。
➡そりゃそーだ!主成分であり、透明性向上!
b 硬度はエナメル質より高い。
➡陶材のビッカース硬さは500hvくらい、エナメル質は300hvくらい!
ちな、ジルコニアはぶっちぎりで硬いです!1200hvとかだし!
c 熱膨張係数はエナメル質より小さい。
➡熱膨張係数は陶材4、エナメル質11!
d 圧縮強さは曲げ強さより大きい。
➡これも正解!潰される力に対しては強いですが、折れやすい。脆性材料の嵯峨ですね・・・
e アルミナの添加によって圧縮強さは減少する。
➡んなわけあるかい!アルミナを添加することで強度は向上します!
【正解】
a,b,c,d
歯科用陶材の一般的性質で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 熱伝導性が低い。
b 靭性が大きい。
c 電気の良導体である。
d 塑性変形が起こりやすい。
e 降伏点と破断点の距離が金属に比較して短い。
【解説】
a 熱伝導性が低い。
➡まぁ何と比較して?って話ですが・・・ 金属と比較したらそりゃ低いです。
というか、消去法で最後に残るのがこの選択肢なんですよね。
b 靭性が大きい。
➡この選択肢から、「あぁこの出題者は金属と比較させたいんだな」と悟ってあげてください。陶材は脆性です。
c 電気の良導体である。
➡ね?絶対金属と比較です!
d 塑性変形が起こりやすい。
➡塑性変形が起こる前に破壊します、これが脆性材料。破断点と降伏点との距離が短いということです。
e 降伏点と破断点の距離が金属に比較して短い。
➡上でいった通りです、言い換えると「塑性変形領域が小さい」です。
【解答】
a,e
では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*)
- 出典:厚生労働省ホームページ