歯科材料のツボ

初めまして合格請負人ことmiuです。歯科国試、進級対策。材料から臨床問題を読み解くブログです。月、水、金更新予定。連絡先メール: tidmiu@gmail.com ラインID: tidmiu インスタアカウント:tid_miu

歯科用陶材のツボ③ 陶材焼付け鋳造冠制作手順その2陶材焼成まで

 八月やーーー!!もぅ八月やーーー!!毎年夏が始まると映画ピカチュウの夏休みをブルーレイで見て、「あぁ俺も年取ったなぁ。。。 ピカチュウの夏休み公開されたの俺が小学生の時やで。。。」とよく思い、落ち込みます。

「じゃあお前見るなよwww自ら地雷ふみに行くないwww」と思われそうですが、そこは「あえて踏みに行くスタイル!」お久しぶりです33-MDDTです。

 ひゃーー更新が滞ってしまい申し訳ありません(汗

夏バテというか、仕事がてんてこ舞いでなかなかお時間が・・・

本日は前回の続きで陶材焼付け鋳造冠の制作手順です。

  

【口腔内試適から陶材焼成まで】

 

⑥ホワイトワックスにて歯冠形態を賦形後口腔内試適。

 

 

⑦技工室へ戻り、ホワイトワックス除去後酸処理。

 ➡今からディガッシングを行いますが、その前に余分なゴミや厚い酸化膜を酸処理(ピックリング)にて取り除きましょう。

 

⑧ディガッシング(1000~1050°)

 ➡ディガッシングの目的は「薄い酸化膜の付与」です!

  その際、お仕事をしてくれるのが焼付用金合金の中のIn,Sn達です。

 

 ≪ディガッシングの目的≫

 1,陶材と接着する酸化膜の付与

 2,コーピング内部のガスや酸素の除去

 3,コーピングのひずみの開放

 

⑨オペーク陶材の付与、その後ディンティンやエナメル陶材の築盛

 ➡オペーク陶材の中にもIn,Sn達が入っています。「ディガッシングで析出された酸化スズ、酸化インジウムとオペーク陶材の中のスズ、インジウムが酸素の膜を介して結合している」というのが、焼付用金合金と焼付用陶材の結合です。

 

 ➡様々陶材を築盛する際に「コンデンス」を行います。

  陶材を築盛する際に陶材の粉を蒸留水で溶いて賦形します、ようは絵の具を水で溶いて盛っていくような感じ!

  ですが、陶材を焼成するときはその水は邪魔なんです、なのでコンデンスを行い水分を除去します。

  コンデンス!とかカッコよい言葉使ってますが、要は思春期の中学生くらいティッシュつかって水分吸ってるだけです!←

  その際に、トントンと振動を与えるのですが、それにより陶材の粒子が均一に並ぶので強度が向上します。

 

  ≪コンデンスの目的≫

 1,水分の除去

 2,強度の向上

 3,審美性の向上

 

⑩陶材焼成

 ➡真空にて焼成をする、その後徐冷を行う。急冷すると陶材割れちゃいます!

 

 

≪臨床問題への応用≫ 

 

 

【問題】

歯冠補綴学:104A-109

 

金属冠を鋳造後に酸処理する目的はどれか。1つ選べ。

 

a 消毒

b 硬度の増加

c 維持の向上

d 酸化膜の除去

e 研磨の省力化

 

 【解説】

  鋳造直後の補綴物はアズキャスト状態と言い、熱い酸化膜と異物(埋没材など)に覆われています。異物を除去するために、硫酸用液などを用いて除去します。

 

【正解】

 d

 

 

【問題】

歯冠補綴学:106A-70

 

陶材焼付け鋳造冠の製作過程で、金属表面に酸化膜を生成させるために行うのはどれか。1つ選べ。

 

a 研削

b 酸処理

c コンデンス

d サンドブラスト

e ディガッシング

 

 【解説】

 酸化膜を生成する目的は「オペーク陶材との結合」であり、そのために行う処置は「ディガッシング」です。ディガッシングにより選択的に酸化するのはIn,Snです。

a 研削

 ➡バーで削って酸化膜できるかーーい!ちなみに、研磨は正のレーキ角、研磨は負のレーキ角です。

 

b 酸処理

 ➡これは、ディガッシング前に行う処置です。前の問題にも書いてある通り、異物の除去が目的!

 

c コンデンス

 ➡これは、陶材に対する処置で水抜きでしたね!

 

d サンドブラスト

 ➡これは、支台歯に合着する前に行いましょう!

 

e ディガッシング

 ➡はいこれ!!1000°程度で真空中で行い、酸化膜を付与します!

 

【解】

 e

 

では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*) 

 

 

  1. 出典:厚生労働省ホームページ 

    https://www.mhlw.go.jp/index.html

  1. 歯科医師国家試験」(厚生労働省

    歯科医師国家試験 過去問

    を加工して作成。