歯科材料のツボ

歯科国試、進級対策。材料から臨床問題を読み解くブログです。月、水、金更新予定。何かご連絡は hema33mddt@gmail.com まで。

コンポジットレジンのツボ③

 昔、三番目に愛した女(もちろん二次元)に影響されて、インラインスケートをしていました。二次元に影響されやすい男!ご存知33-MDDTです。

まだまだ続きますよ! 本日も「コンポジットレジンのツボ」です。

今回は苦手としている方も多いフィラーの話です。

 

≪インプット事項≫

 抑えるべき点は「フィラーの役割」、そして「フィラーの充填率が多くなる事により変化する物性」です。よく出ます!チェケラです!(昭和の人間・・・チェケラってお前・・・)

 

フィラーの役割】

強度の向上 ➡ 耐摩耗性の向上

 フィラーを入れ込めば臼歯咬合面でもへっちゃらさ

熱電気伝導率の向上 ➡ ガラスは熱を通しやすいのでフィラーが増えるとそのCR自体の熱伝導率も上がる

硬化時の重合収縮を減少させる

硬化体の熱膨張係数を低下させる

硬化体の吸水率を低下させる

 ➡フィラー(具)を添加することでマトリックスレジン(ルー)の量は相対的に減ります。重合収縮も吸水も熱膨張するのは全てベースモノマー(ルー)なので、フィラーを入れることでそれらは減少します。

 

【表面処理】

フィラー(具)とベースモノマー(ルー)を接着させるためには、接着剤(接着性モノマー)が必要です。

それが、γーMPTSです。接着性モノマーはAという何かBという何かをつけるものですよね?γーMPTSはシリカ(SiO2)」「レジン(コンポジットレジンでもアクリルレジンでも」とを接着させます。

なので、セラミックインレーやCRインレーをレジンセメントで接着させるときに補綴物内面にγーMPTS処理を行うのは「セラミックインレーやレジンインレーのSiO2」「レジンセメントのベースモノマー」との接着を行うためです。

 

フィラーの分類の話】

保存の教科書を見ると事細かく分類されているので取り敢えず記載します。

①マクロフィラー型CR(従来型)
・粒径:5~50μm
・配合量:70wt%
・強度は強いが研磨性最悪

 

②マイクロフィラー型CR(MFR)
・粒径:0.04~0.06μm
・配合量:60wt%(有機複合)
・外力がかかり難い前歯用として使われていたらしい…

 

③サブミクロンフィラー型CR(SFR)
・粒径:0.2~0.3μm
・配合量:65wt%(有機複合)
・MFR と同様に、研磨性は良いが強度は無い

 

④ハイブリット型
・粒径:ごちゃごちゃだから分からない~
・配合量:70~85wt%(有機複合)
・マクロ、マイクロ、有機複合すべてのフィラーを混ぜ合わせた。
・研磨性、機械的強度全て良し!
・前歯部、臼歯部どこにでも使用可能!

 

セミハイブリット型(高密度充填型)
・粒径:マクロフィラーを0.1~数μm まで粉砕。
・配合量:70~85wt%(有機複合)
・研磨性、機械的強度全て良し!
・前歯部、臼歯部どこにでも使用可能!

 

⑥ナノフィラー

・粒径:超微粒子
・配合量:高密度
・研磨性、機械的性質良し、表面滑沢性もとても良し!

 

細かい知識は正直いらないと思います。ここで抑えるのは、どの型にフィラーはどれくらい入っているか?

ハイブリッド型と従来型だとハイブリッド型のほうがフィラーの充填率が高いですよね?

そうすると、一番初めに記載した【フィラーの役割】の知識を利用して、ハイブリッド型のほうが、従来がと比較して強度が高くて電気通しやすくて、吸水率と熱膨張係数と重合収縮が少ない、ということになります。

もっと簡単に言うと、具(SiO2)が少ないカレー(従来型)と具(SiO2)が多いカレー(ハイブリッド型)の比較だとこうなる!

 

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≪臨床問題への応用≫

 

【問題】

保存修復学:106A-124

 歯頸部実質欠損に対してフロアブルコンポジットレジンによる修復を選択する理由はどれか。1つ選べ。

 

a 高い接着性

b 高い接着強さ

c 低い弾性係数

d 低いヌープ硬さ

e 低い熱膨張係数

 

【解説】

  歯頸部実質欠損は楔状欠損ですね。楔状欠損の好発部位は上顎の犬歯、小臼歯部が多いです。これは、犬歯誘導などにより、歯牙が滑走運動する際に力が強くかかる部位が上顎犬歯、小臼歯部だからですね?

楔状欠損が起こっている部位は歯肉の退縮もよく見られます。

当部位を修復する際に、一番求められるのは「その応力がかかる歯頸部と一緒にしなりがある物性」です。

ペーストタイプですと、強度が強いため、修復してもまた外れてしまう可能性があります。よって、強度が低い=よくしなる=弾性係数が低い フロアブルコンポジットレジンが選ばれます。

 

a 高い審美性

 ➡審美性に関しては、前回の記事でもお話したようにペーストタイプのほうが変色しにくく、審美性良好です。

b 高い接着強さ

 ➡ペーストとフローでの接着強さは接着システムに依存します、ペーストタイプだから強いとは言えません!

c 低い弾性係数

 ➡これです!!このタイミングでしっかり応力ひずみ曲線も確認してくださいね?

「比例限、弾性限、降伏点、破断点、弾性係数、弾性エネルギー、レジリエンス、タフネス、靭性」この言葉の意味が分からなかったら、もう一度確認だ!!

d 低いヌープ硬さ

 ➡確かにヌープ硬さ(菱形のダイアモンド圧子)はフロアブルコンポジットレジンは低いですが、選択する理由にはなりません。

e 低い熱膨張係数

 ➡熱膨張係数はフロアブルコンポジットレジンのほうが大きいです。

従来型とハイブリッド型の比較を、フロアブルコンポジットレジンとハイブリッド型コンポジットレジンに置き換えてみてください。

 

【正解】

c

 

 

では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*) 

 

 

  1. 出典:厚生労働省ホームページ 

    https://www.mhlw.go.jp/index.html

  1. 歯科医師国家試験」(厚生労働省

    歯科医師国家試験 過去問

    を加工して作成。