先日、中学からの友人の結婚式に行ってきました。そいつも歯科医師、相手の歯科医師、そして二人とも僕の知り合いで大学勤務なんですよ・・・
ってことで、僕の知り合いの上の先生方がうじゃうじゃ居る・・・
上の先生方にビール片手に挨拶回って一気飲み、下の先生方から挨拶されてビール一気飲み・・・ 近々で一番きつい結婚式でした。二人ともお幸せに! 今年も独身街道ばく進の33-MDDTです。
≪インプット事項≫
そもそも、材料的観点から磁性合金を語る事項は少ないのですが、それこそ110回、112回の国家試験にも出たのでまずは材料的観点から。
【用いられる金属】
①サマリウムコバルト(SmCO)
②ネオジウム鉄ホウ素(NdFeB)
【磁性アタッチメント義歯の特徴】
・磁石は義歯側! キーパーは根面板側!!
・磁性アタッチメントは「維持力の減退が少ない」
➡クラスプによる維持だと使用回数が増えるにつれて金属が変形し、維持力が弱くなる
・辺縁歯肉と移行的な磁性アタッチメントは側方力に弱い!
➡磁石は横の力に弱いため、把持力は強化されにくい
➡辺縁歯肉から飛び出している磁性アタッチメントなら把持力は弱くない。
・根面板の上に装着するのでオーバーデンチャーと同じように「歯根膜支持」が得られる。
・クラスプ義歯と比較して金属が見えないため「審美性が良好」
・キーパーが金属になるので、MRI撮影時にアーチファクトを生じる可能性がある。
➡放射線の先生に聞いたら「そんなのもぅほぼないよーー」とは仰っていたけど、国試的には注意。
≪臨床問題への応用≫
【問題】
歯科理工学:112-D21
歯科用磁性アタッチメントに使用される磁石を構成するのはどれか。2つ選べ。
a Fe
b Mg
c Nd
d Ti
e Zr
【解説】
この問題は、インプット事項を覚えていればすぐ解けますよね?ネオジウム鉄ホウ素(NdFeB)の構成要素を選んでください。
【正解】
a c
さて、もう一問!
【問題】
補綴学:110-B2
92歳の男性。咀嚼困難を主訴として来院した。3年前に脳梗塞の既往がある。上顎右側側切歯、上顎左側側切歯、および第二大臼歯は保存不可のため抜去し、下顎には両側犬歯を支台歯とする部分庄義歯を製作することとした。初診時の口腔内写真、エックス線画像および、上顎の補綴治療計画の模式図を別に示す。
上顎の治療方針で適切なのはどれか。1つ選べ。
a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ
【解説】
これはさぁ・・・・ うぅーん・・・ 嫌いじゃないけど、好きになれない問題です。この問題を簡単に言い換えると「3本抜歯して、残存歯3本になるよ、どう補綴する?あっあと、この人脳梗塞あるから、いろいろ気を付けて!」となります。
この脳梗塞が曲者・・・ 何を出題者は言いたいのか?結論としては「定期的にMRIとるよ」です!では、一つずつ見ていきましょう!
a ア
➡まぁ、答えはこれなんですが・・・根面板の図が白くなってますよね?たぶんこれ・・・「あ、レジン根面板ですwww」って言いたいんだと思います・・・
なので、レジンだからアーチファクトにならないし、残存歯に歯根膜支持を求めるために、オーバーデンチャーにする。いわれてみれば、確かに!とはなりますが・・・
b イ
➡これは、先ほどお話した通り磁性アタッチメントにする場合はキーパー部が金属になるのでMRIを撮影するときに不利なので選択しません。
c ウ
➡無理無理!!いろいろ無理!まず、前歯部ブリッジ!5本欠損を残存3本で支持すること自体無理!そして、なんで両側義歯を一体化しないんだ!
d エ
➡いや。。。残そうよ。。。残り3本。。。なんで抜いてフルデンチャー入れるんだ。。。
e オ
➡これも色々ダメ!まず、92歳の患者にインプラント打つか!?そして、金属使用するからMRI撮影だめ!
この問題の一番ダメなのは、キーパー部の「レジンかメタルを記載していない」こと!それさえ書けば良問なんですが。。。
【正解】
a
では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*)
- 出典:厚生労働省ホームページ