ちらほらと卒業試験の結果が耳に入る時期になりましたね。この時期はやれ「~~大学は何人落としたぞ!」やら「~~大学は救済試験があるらしいぞ!」などの情報が錯綜します。本当に嫌な時期です・・・ こんにちは、33-MDDTです。国試まで本当にあと二週間ちょい、気張っていきましょう!
本日から「鋳造用合金のツボ① 金合金」です。
≪インプット事項≫
【金の特徴】
①貴金属➡耐食性良好
②展延性に優れている➡よく伸びる
③結晶構造は面心立方格子
④比重は大きい(プラチナよりは小さい、Pt > Au の順)
⑤融点は1064℃
【鋳造用金合金の特徴】
①JIS企画による分類
タイプ1とか出てくるのがこちらの規格。タイプが大きくなるにつれて金の含有率は下がっていきます。
ということは、他の添加元素が多くなるので、先ほどの金の特徴が薄れていくイメージです。
よく問題で出されるのが、比較問題。
タイプ1と比較したタイプ4の特徴とかです。
考え方としては、タイプ1は金の含有率が多いから「柔らかい、融点が高い、重い」。
逆に、タイプ4は金の含有率が低く、他の添加元素が多い為「堅い、融点が低い、軽い」。
特に、タイプ4金合金は「硬化熱処理」という、「かーたくなーれ、かーたくなーれ、きゅるきゅるるん♬」的な、どこぞのメイド喫茶がやりそうな処置が可能です。
タイプ3金合金では「硬化熱処理ができるものもある」くらいで覚えておいてください。必ず硬化熱処理が可能と定義されているのは「タイプ4金合金」です。
②金合金における添加元素
歯科で用いる金属は「合金化」されています。合金化とは、言うなれば「単体だと使用が難しいから、いろいろな金属を合体させて、良い性質を良いとこどりしよーぜ!」です。
金合金では以下の元素が添加されており、特に役割が大事になります。
特にCuはよく問われます、融点下げて強度を上げる!良いことだらけですが、如何せん十円玉が気づいたら黒ずんでいる現象「酸化」が起きやすくなります。
③カラット別金合金
金合金中の金の含有率をカラットで表示したものです。よく、指輪とかに18kとか20kとか書いてありますよね?あれです。
貰って一番嬉しいKは24Kです。なぜなら、24k=金100パーセントだからです。
kが24に近づくほど、金の含有率は高いのです。
20k~22K金合金は、タイプ2金合金に相当します。
16k~18K金合金は、タイプ4金合金に相当します。ということは、18k以下の金合金は「硬化熱処理が可能」ということになります。
では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*)
≪臨床問題への応用≫
【問題】
歯冠補綴学:107A-56
鋳造用金合金について正しいのはどれか。2つ選べ。
a タイプ1は硬化熱処理が可能である。
b タイプ1はタイプ3よりも硬さが大きい。
c タイプ2はタイプ3よりも耐力が大きい。
d タイプ3はタイプ4よりも伸びが大きい。
e タイプ1はタイプ4よりも金の含有量が多い。
【解説】
まずこのような比較問題でよく間違う方は必ず「倒置法で考える」ということを意識してください。
例えばeの選択肢は「タイプ1は金の含有量が多い、タイプ4と比較して」と少し言い換えると分かりやすくなります。
そして、この問題の考え方は
タイプ1は金の含有率が多いから「柔らかい、融点が高い、重い」。
タイプ4は金の含有率が低く、他の添加元素が多い為「堅い、融点が低い、軽い」。
です。
a タイプ1は硬化熱処理が可能である。
➡確定でできるのhタイプ4です!
b タイプ1硬さが大きい、はタイプ3よりも。
➡タイプ1は金の含有量が多いのでわからかいです。
c タイプ2は耐力が大きい、タイプ3よりも。
➡タイプが小さいほうが金の含有量が多いので、耐力は小さいです。
d タイプ3は伸びが大きい、タイプ4よりも。
➡タイプが小さいほうが金の含有量が多いので、伸びは大きいです。
e タイプ1は金の含有量が多い、タイプ4よりも。
➡そりゃそーだ!
【正解】
d,e
この「倒置法システム」がしっくりした方はぜひ使ってみてくださいね!
では、またどこかでお会いしましょう、アデュー(*´♡`*)
- 出典:厚生労働省ホームページ